読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

成人の日が来る度に嫌な気持ちになる

いつものように10時に起きたら家に誰もいなかったので、「ああ、今日は月曜日だったな」と油断して大音量でAVを流していたら(生活の一部にミニマリズムを組み込もうと画策している僕は、大量に保存してあるAVの厳選作業に励んでいる)、昼過ぎに親父が帰ってきたのでビビった。

「えっ、仕事は?」非日常的展開に戸惑いながら問いかけると、「成人の日だろうが」呆れたように親父が答える。本屋に行っていたらしい。

「あ、ああ、そうか…」なんともいえない面持ちで返すと、どうしてこんなに繊細な子供を作れたのか未だに全く理解ができないほど無神経な親父は、楽しそうに自分の成人式の思い出を語り出した。

しつこく成人式の感想を聞かれて僕がブチギレながら答えたの忘れたのかよ…

 

僕が成人式に行かなかった理由は単純。行ってもつまらないと思ったからだ。

参加していない上に、興味がなくて調べてもいないということで、式の内容を全く知らないんだけど、恐らく市長のありがたいお話を聞いたり、自治体によっては芸能人を呼んだり、そんなとこでしょう(と思ったけど、さすがに内容が薄すぎるのでもう少し何かあるんだろうか…?)。

どう考えてもつまらない。そもそも僕が住んでいる街の市長、顔も名前も知らないわ… 完全にどうでもよすぎる…

 

そんなわけで20歳の僕は、成人式なんて行ってもしょうがねえよなあ、と思って家で寝ていた。まあ、今考えても特におかしいとは思わない。そりゃそうなるよなあ、と思う。

 

しかし、歳を重ねるごとに妙な感情が湧いてくる。

「普通の20歳」は成人式に行っているのだ。当然、その後の同窓会にも。

はてなに入り浸っていると、「普通」という言葉に卑しいニュアンスを感じてしまいがちになるけど、なんだかんだで「普通」ほどベターなものはない。最高ではないけど、最悪でもない。いいか悪いかでいえば、いい寄りだろう。一般的な生活を送る上であれば、少なくとも悪くはない。僕みたいに静かにおとなしく暮らしたい人間にとって、憧れのワードだ。

 

20歳の僕は、とにかくすべてにうんざりしていた。

「普通」の日常を送るために、大して好きでもない人間と仕方なく友人ごっこをしていた中学、高校を卒業し、「ようやくすっきりできる!」と満面の笑みで嫌いだった「友人」をマイミクから外して、着信拒否して、「これで快適だわ~^^」と喜んでいたのはほんの数ヵ月。

当然、仲良しグループの中で、僕が嫌いな元友人と僕が本当に友人だと思っていた友人の仲が本当にいいということはあり得る。「友人」にとって僕より「元友人」の方が大事な友人だった、と突きつけられることはなかったけど、恐らく「友人」にとって僕も「元友人」も同じぐらい仲がいいと思っていて、複数人での遊びの誘いを受けることが多かった。

そこで僕が、「いや… あいつのことは嫌いなんだよね…」なんて言っても「友人」を困らせるだけだし、そういう時は自分からそのコミュニティを去っていった。その方が楽だったから。

 

そうして、自分の属するコミュニティがほとんどゼロになっていたのが20歳の僕。

わずかに残っているところも、同様のパターンでかなり居心地が悪くなっていた。

もう誰も友達じゃねえよ… どいつもこいつも糞野郎ばっかだよ… くだらねえ奴らに時間を浪費しちまったよ… もう誰とも関わらないでいいや… そう思っていた。

中高の同窓会も、今更行ったところでつまらないに決まってる。だってもう誰も友達じゃないんだから。そうして、20歳の成人の日は家で寝ていた。

 

でも、僕は間違っていた。

たまたま携帯の充電が切れていたのでわからなかったけど(当時の僕の携帯はまず鳴らなかったので気付かなかった)、当日は数十件の不在着信があった。中高の友人、何人もが僕に電話をかけていたのだ。

着信に気付いたのは翌日のこと。当時の僕は、「あれ、山田いなくねえ?」ぐらいでかけてきたんだろう、とりあえずかけただけだろう、薄っぺらい人間関係ってそういう安っぽい心配してます的なモーションしがちだよな、とひねくれて捉えて気にもかけなかった。

 

後悔するようになったのは、つい最近。

もうしつこいぐらいに書いているけど、僕は一人が好きだし友達が欲しいとも思わない。別に拗ねてムキになって言っているわけではなく、本心からそう思っている。

けど、あの時、成人式に行っていれば、同窓会に行っていれば、着信に気づいていれば、せめて翌日にかけ直していれば、「普通」の人間関係を楽しめる、「普通」の人間として、「普通」の生活を送れていたのかも知れないなあ… と思う。

 

成人式のニュースを見て嫌な気持ちになってお酒を飲みまくっているのでめちゃくちゃになっていますが、そんな感じ。

「やらないで後悔するよりやって後悔した方がいい」って言葉が死ぬほど嫌いな僕ですが、これから成人式を迎える人、成人式(同窓会)ぐらいは行かないで後悔するより、行って後悔してもいいと思う。人生で一度しかないんだから。